夏の暑さが本格化してくると、子どもたちのスポーツ活動において水分補給の重要性が一段と高まります。
熱中症や脱水症状のリスクがある中で、ただ「水を飲めばいい」というわけではありません。
何を、いつ、どれくらい飲むか?
その「質」と「タイミング」が、子どもたちの体調管理とパフォーマンス維持に直結します。
暑さの中で体を動かす子どもたちには、大人以上に計画的な水分・電解質の補給が欠かせません。
今回は正しい水分補給の基本と実践法をわかりやすく解説します。
なぜ子どもは脱水しやすい?成長期の体の特性とは
子どもは体が小さく、水分の割合が高いうえ、体温調節機能が未熟です。
そのため、大人以上に脱水や熱中症のリスクが高く、水分補給の質とタイミングが非常に重要です。
加えて、集中していると「のどの渇き」を感じにくくなるため、以下のようなリスクが高まります。
- 脱水症状
- 熱中症
- 集中力や判断力の低下
- パフォーマンスの低下
さらに、子ども自身が「のどが渇いた」と感じたときには、すでに水分不足が進行している場合も。
特に気温・湿度が高くなる夏場は、大人以上にこまめで適切な水分補給が必要不可欠です。
保護者が適切な水分補給をサポートすることが重要です。
水だけでは危険?水分不足が招くリスクとその理由
水分不足は体温調節がうまくできなくなるだけでなく、血流の悪化や筋肉のけいれん、注意力の低下を引き起こします。
これは熱中症やケガのリスクを高め、運動中のパフォーマンスを大きく低下させる要因になります。
また、単純に水だけを飲んでいると、運動で失われるナトリウム(塩分)やカリウムなどの電解質を補えず、かえって体内の水分バランスが崩れてしまうことも。
反対に、糖分の多いスポーツドリンクを多く飲みすぎると、胃腸への負担や血糖値の急上昇を招く可能性があります。
だからこそ、飲み物の種類とタイミングの使い分けが不可欠です。
運動時におすすめの飲み物は?アイソトニックとハイポトニックの違いと活用法
ただ水を飲ませるだけでは、十分とは言えません。
運動時の発汗では、水分だけでなく塩分やミネラルも失われるため、摂取する飲み物の成分も重要です。
以下は、目的別におすすめの飲み物とその特徴・タイミングをまとめた表です。
飲み物の種類 | 特徴 | おすすめのタイミング |
---|---|---|
常温の水 | 胃に優しく、日常補給に最適 | 練習の合間や休憩時 |
アイソトニック飲料 (例:ポカリスエット、アクエリアス、OS-1、アクエリアス経口補水液) | 糖分・塩分濃度が体液に近く吸収が早い | 運動前後に最適 |
ハイポトニック飲料 (例:アミノバリュー、ヴァームウォーター、グリーンダカラ、アクエリアスゼロ、ポカリスエット イオンウォーター) | 糖分控えめで吸収が速い | 運動中におすすめ |
アミノ酸・電解質飲料 (例:inゼリー エネルギー、スーパーヴァーム、DNS R4) | 筋疲労の回復やリカバリー効果 | ハードな練習や試合後に◎ |
いつ・何を・どう飲む?子どもに合わせた水分補給の具体策4選
タイミングと温度が大切
水分は飲んでから15〜20分ほどで体に吸収されるため、運動開始の30分前に200〜250mlの水分を摂取するのが理想です。
飲み物の温度は常温〜15℃程度が望ましく、冷たすぎると吸収が遅れ、胃腸に負担をかけてしまいます。
「水+スポーツドリンク」の2本持ちを習慣に
- 水だけでは電解質不足になりがち
- スポーツドリンクだけだと糖分過多になることも
バランスのよい摂取を目指すために、「常温水+ハイポトニック飲料」を2本持ちするのがおすすめです。
気温や運動量に応じて、アイソトニック飲料や電解質ドリンクを適宜追加しましょう。
練習時のおすすめセット
状況 | 内容 |
通常練習(60〜90分) | 常温水500ml+ハイポトニック飲料500ml+塩分チャージ2粒 |
試合・真夏日 | 常温水700ml+アミノ酸+電解質飲料500〜750ml+梅干しや塩分タブレット |
軽めの運動なら「水+塩分チャージ」でもOK
軽い運動や短時間の活動であれば、「水+塩分チャージタブレット」でも十分対応できます。
ただし、気温が高い日や長時間の運動、試合時にはスポーツドリンクとの併用が安心です。
戦略的な水分補給で、熱中症予防もパフォーマンス維持も可能に!
子どものパフォーマンスを守るためには、水分補給は「戦略的」に行うことが不可欠です。
水・電解質・糖分をバランスよく取り入れることで、脱水や熱中症のリスクを減らし、運動時の集中力や体調もキープできます。
明日から実践できる!保護者ができる水分補給サポート術
- 練習・試合前に「水+スポーツドリンク(ハイポトニック)」の2本を準備する
- 飲み物のラベルを確認し、糖分・塩分の量に注意
- 「のどが渇く前に飲む」「こまめに休憩する」ことを習慣化
- 冷やしすぎた飲み物は避け、10〜15℃の温度を目安に
- 保護者からの声かけやサポートを通じて、子どもが自分で水分補給を意識できるよう促す
夏のスポーツは体力や暑さへの順応力を高めると同時に、忍耐力や自己管理力、仲間との絆など精神面の成長にもつながる大切な時間です。
適切な水分補給や体調管理を行えば、夏の環境は子どもたちの大きな成長のチャンスになります。
正しい水分補給で、子どもたちの体と心を守るサポートをしていきましょう!
※参考:厚生労働省「熱中症環境保健マニュアル2024」、日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
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